Christmas 2006

Merry Christmas!
ご存知の通り、こちらのクリスマスは日本でいう正月休みのようなものです。実家などで家族や親戚と過ごすのが一般的ですが、家族らしい家族が周りに居ない私達には「どうやって過ごすか」が毎年のちょっとした悩みです。でも、よく考えたら Canterbury で過ごすクリスマスは何気に3年振りだったりしました。
今年は、ちょうど日本から出張でイギリスに滞在中だった友人が遊びに来てくれたので、「2人だけの普段と変わらない寂しいクリスマス」は何とか避けられました。ありがたし。


さて、25日の Christmas Day の前日、24日は Christmas Eve だった訳ですが、イヴの日は日本のそれとは違い、要は日本の大晦日のような感じ…ちゃんとしてる人達はクリスマスの準備が前日までにほとんど済み、そうでない大多数の人達は最後の最後までバタバタしてる、という日です。
実はこの日(クリスマス・イヴ)の午後、私達はあるパーティーにお呼ばれされていました。でも、私はイマイチ乗り気ではなかったので「友達が来ているから」というのを口実に、相方にだけ行かせて私は友人とカンタベリーの街を散策することにしました。
友人と2人、街に出たところまではよかったのですが、暫く経ったところで私の携帯が鳴りました。相方からでした。なんと「パーティーに Orlando Bloom カンタベリー出身)が来ている」というのです。信じるのに数十秒かかりつつも、即、予定変更!パーティーに行くことにしました。しかぁーし、私の熱く短い説得にもかかわらず、友人はオーランド・ブルームよりも街に残ってカンタベリー観光を続行する方を選んだので、薄情な私は彼女を街に残してパーティーへ行ってしまいました。
知らせを聞いてから約30分後、パーティーのあった家に到着。髪はボサボサ、ノーメイク、服装は昨日家の掃除をしていた時とほぼ同じでユニクロジーンズ…と、どう見てもパーティーに行く出で立ちではなかったけど、オーランドを見逃したくなかったので仕方ない。混み混みな家の中へ入ると…いたーっ!相方とオーランドをほぼ同時に発見。相方に手を振りつつも視線はオーランド…でした。
その後、ちょうど側を通り掛った時に、ちゃっかり捕まえましたよ。まず相方が「君の両親とお兄さんとは知り合いだ」と自分が何者なのかを説明。オーランドは礼儀正しくニコニコして聞いてました。で「…こちらはウチの家内の Chie です」と話を振ってくれました。「はじめまして」と握手したものの、オーランドの場合、ただ手を差し伸べてくれただけ…もちろん私はギューッと握っておきましたけど。あと、地元だから気には留めているけど、普段から大ファンという訳ではないので、何を話してよいのか分からん。「騒がれず目立たないように皆の中にとけこみたい」そうだというのを事前に聞いてしまったので、写真も頼めなかったし、映画の話も避けた方がいいのかなぁ…なんて余計なことが頭の中をよぎる。で、結局は無難(?)に「私、日本人なんですけど、よく日本にいらっしゃるそうですね。」っと言ったら「Yeah, I love Japan very much.」と、これまた無難な答えが返って来ました。普通だったら、ここから会話が弾むたころですが「ちょっと失礼」と逃げられてしまいました。ま、これ以上引き止めても私達の関係に進展は見られそうにもなかったので、ヨシとします。
いやぁー、ハリウッド・スターなんて間近で見たことなかったので大興奮の1日でした。カンタベリー出身の人なので「いつか見れないかなぁ」とは思っていたけれど…もうカンタベリーに思い残すことはないな。うん。


25日の Christmas Day 、昔の日本の元旦のように世間の何もかもがストップ。午前中、私達は Canterbury Cathedral のミサに参列して来ました。私は信仰というものに限りなく無縁な人間ですが、宗教は習慣や文化の一部として尊重するべきだとは考えているので、クリスマスにカンタベリーにいる年には、いつも大聖堂へ足を運びます。
特に今年の Archbishop of Canterbury の説教は素晴らしかったです。時事問題でもある中東情勢などには、ご自分の非常にフェアで鋭い意見が述べられ、感動してしまいました。個人的には「こういう人が政治家や国連事務総長とかだったら世の中もっとマシなんじゃないか」と思わなくもなかったです。後で聞いた話によると、このカンタベリー大主教 Dr Rowan Williams は弱冠35歳で Cambridge の Professor になったんだとか…さすが。説教はとても長く、月曜朝礼の校長先生の話のように時に集中力を保つのが難しかったこともあり、要約するのは私にはちょっと無理ですが、キーワードは The Poorest Deserve The Best ということでした。説教の内容、原文はこちら。
BBC NEWS | UK | Canterbury sermon: Full text
午後は近所の友達御一家のところへ Christmas Dinner をいただきに行きました。図々しく「大勢で祝った方が楽しいから」と理由をつけて、自ら「逆招待」状態で押し掛けてしまいました。ウチでやる「2人や3人のクリスマス」じゃターキーは大き過ぎて料理しないけど、今年は6人。しっかり基本の美味しいクリスマス・ターキーをいただきました(ご馳走様でした)。満腹で動けなくなるくらい食べて飲んで、料理も片付けも手伝わずに帰ってしまった私達。ちょっと…いや、だいぶズルかったですね。ごめんなさい。


26日は Boxing Day 、クリスマスの翌日に商売をしている人々にプレゼント・ボックス(お歳暮やお年賀やお年玉みたいなもの?)を贈るという19世紀の習慣が起源だとか。まだ世間はお休みです。でも、私の友人は翌日から仕事ということで、早朝にカンタベリーを後にしました。見送った後、私はもう一度寝ました。


これが私の今年のクリスマスでした。