Christmas ’08

クリスマス当日でございます。


今年は(…というか、いつも&何事も)事前に特別な予定を立てる余裕が無かったので、静かに相方と2人、ここカンタベリーで過ごしました。
出来ることなら、どこか素敵な所でホリデーしたかったので「これがカンタベリーで過ごす最後のクリスマスになりますように」と密かに願う私。
世間がお休みだというくらいで、私にとっては普段と大して変わらない1日…になりそうだったので、雰囲気を盛り上げるため、とりあえず朝、大聖堂のミサに足を運んでみました。


私はキリスト教徒ではありませんが、クリスマスにカンタベリーにいる年には、せっかくなので参列することが多いです。私としては、日本で初詣をするのとほぼ似た感じ…かな。
カンタベリー大聖堂英国国教会の総本山といわれるだけあって、こういう時のミサには地元民だけでなく観光客(巡礼者?)も参列し、満員御礼状態。確かに、教会・カンタベリー市・ケント州の要人(?)大集合で華やか(特に現実離れした衣装)だし、TVカメラも入り、大主教の説教の内容は(イギリスでは)毎年女王やローマ法王のスピーチと共にニュースで報道されるので、信仰の有無を問わず、一見の価値ありだと思います。


今回は到着したタイミングが悪く、祭壇の奥のコーラス・ミサ(?)などで聖歌(賛美歌)隊が陣取る席に通されてしまいました。祭壇には近いけど、要は裏なのでミサ自体良く見えなくて隔離されてる感じ…コンサートでアリーナのバックステージに座らされてるみたいでした。「チッ!ついてないゼ」と最初は思ったものの、実はそうでもなかったんですよ。これが。
式の終盤にある聖餐(聖体拝領)の際、隔離エリアの私達は、大主教から直接受けることが出来ました。参列者が何百人もいて、聖餐は他の司祭が手分けして行うため、大主教が授けるのは(参列者の)ほんの一部。「こりゃ相当ラッキーなはず」と、思わず列へ…私は信者じゃないし、相方はカトリックだし(信心深くないし)ということで、いつもは聖餐はパスの私達なのですが…図々しさ丸出し。
式次第には「誰でもウェルカム」みたいに書いてあったけど、洗礼を受けてない私が本当に列に並んでいいものか…と気がひけつつも最終的には「6年間カトリックの学校に通ったし、これがカンタベリーでの最後のクリスマスかもしれないし…聖体は遠慮して blessing (祝福)にしてもらえばいいよね」ということにしました。勝手に。
機械的に順番が回ってくる中、そのリズムを止めて「あのぅ… blessing だけで」とは言い難く(シャイな私)、結局、他の皆と同じように頂いてしまいました。ごめんなさい。


順番の回転を早くするために、表(アリーナ)の人達への聖餐は、司祭がパン(キリストの体)を杯のワイン(キリストの血)にディップして口に入れて(舌にのせて)くれる簡易バージョンだったと思われますが、隔離エリア(バックステージ)では、ひざまづかされて順番を待ち、まず大主教がパン(あの丸い無味ウエハース)を手渡してくれ(そしてそれを自分で口に入れる)、次に後ろに控えた司祭が杯の中のワインを飲ませてくれました。
ワインは頂き難そうだし、杯には皆で口つけてるし…花嫁の三々九度のように「カタチだけ」にしようとしたものの、結構グイッと杯を持って来られ、まともに口に含んでしまいました。


そして思ったのですが…意外とまともな(ポートみたいな)ワインでした。ビックリ。普段こういうことをしないので、相方も驚いていました。
アングリカン・チャーチではこれが普通なのか?クリスマスだからか?大主教から直々の聖餐だったからなのか???帰り道、ずっとこの話題だった私達。


よく考えると、きちんと聖餐や聖体拝領を受けたのは初めてでした。
何気に私のファースト・コミュニオン*1ですよ。イェイ!祝っとく?…なんて、もちろん洗礼を受けた訳じゃないから NG ですけどね。


朝からなかなか良い物をいただいてしまったので、家に戻ってからも、そのまま一日中飲み続けさせていただきました。ビバ!クリスマス。

*1:カトリック教徒が初めて聖体拝領を受けるにあたってのお祝い。一人前に成長している証として、通常10歳前後で祝う、七五三や成人式のようなイベント。